Premarché Sweets & Glossaries

NOBUO NAKAGAWA

2017.05.08

ジェラートを学び、そしてジェラートを深めているうちに、「これだけ集めたジェラートの素材やレシピの骨格を、もっと多くのスイーツや食品に使えないか」という思いが日増し強くなっていました。

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特に、食物アレルギーをお持ちのお客様の喜んでいただく姿には私も心から涙を流しそうになる瞬間で、おいしいと言っていただくのと同等、いやそれ以上の使命を感じるところでもあります。

単に除去発想のアレルギー対応でプアな素材、というアレルギー対応食品が多い中で、たとえどんなアレルギーなり食制限があるとしても、めいっぱいおいしさを楽しんでいただきたいと考え続けていますし、そうなってくるとジェラートの枠に留まり続けている余裕はありません。

ましてや、自然食をベースに今まで仕事をさせていただいた訳ですから、良質の素材で最高の味を、と真剣に思うには時間はかかりませんでした。

ジェラートの枠に留まらない、フードバリア(TM)を乗り越えていく、素晴らしい素材、素晴らしい組み合わせ、素晴らしい機能性、素晴らしい背景、素晴らしい味をもつサステイナブルで、心の薬となりえるスイーツなり、食品なりを平行して開発していこうと考えています。

たとえばプリン。レシピは極めてシンプルで、本物のプリンなら卵と生クリーム、砂糖類で出来上がっています。これを完全に植物性で頭の中で組立始めたわけですが、行程はジェラートとそっくりなのです。冷たく結晶させればジェラートに、加温して固めればプリンになるわけです。それを、動物性ゼロでやるアイディアは頭の中を巡っており、これをある程度完成に近づけていけば、卵や生クリームで最高の味を作ることはそれほど難しくありません。

これはジェラートの経験でもいえることで、ピスタチオをおいしく食べられるジェラートはノンミルクでは難儀しました。ナッツの最後に残る渋みをどうやって抑えるか、という大きな課題が残るのです。何度も何度も試作を繰り返し、こんなに多数の素材、複雑な作り方で商売になるのかという気持ちがある一方で、何人ものヴィーガンの方に召し上がっていただいて「これはすごい!」という感想をいただくと、よっしゃ!という気持ちなります。

そしてミルクベースの半ば伝説となりつつある当店のピスタチオに立ち戻ると、なんと簡単なでしょうか。こんなにシンプルな構成で「こんなピスタチオジェラート、日本どころかイタリアでも食べたことない!」と言われると、かえって恐縮してしまいます。最高の素材を惜しげもなく使えばミルクを使えば困難なく可能なことも、その力に頼らないとなれば、とても難しいことになります。その難しい課題をクリアしていけば、アレルギーも食制限もない一般の方に食べていただくお菓子は、ある意味においてとても簡単にみえてしまいます。

そんなことで、ノンミルクのプリンをジェラート発想で組立つつ、ジェラテリア(ジェラート屋さん)という名前でプリンも訳が分からなくなりますので、Premarché Sweets & Glossariesというシリーズで統括していこう、と考えました。

もちろんアイディアはプリンだけではありません。他にもジェラートの方法論でおいしくできるスイーツやグロッサリー類のアイディアはいくらでも出てきますので、1づつ形にして、「世界でいちばん、誰もが子どものような笑顔になれる場所」を目指してゆきたいと考えています。

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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア

  • 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
  • イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
  • 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
  • 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
  • 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
  • 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
  • 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
  • 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
  • チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
  • 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
  • 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
  • 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
    Beyond “Food barrier”! 参照 )
  • 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求