ジェラテリアのお店

Columnコラム・連載

Beyond ”food barrier”!

NOBUO NAKAGAWA

2017.04.18

image2.JPG

自然食品を扱う仕事に従事するようになって、もう20年以上が経過しました。会社としてはまだ17年目を走っているところですが、それでも、自社商品を1000以上、取り扱い商品点数は1万に近い数字で、これらは単に揃えているだけではなく、吟味を重ねた上で提供しています。

2008年以降、本格的に国際協力に関係するようになり、貿易事業の規模拡大もあいまって、あらゆる国の人とお話しする機会が増えました。特にこの数年、特定の宗教に関する誤解の広がりの一方で、日本の観光産業が海外に向かいだしたといこともあって、様々な背景をもつ人たちの食の選択に関する日本人の知識や経験不足が明らかになっているという事情がありました。

自然食、そして国際協力という2つの軸から、健康上、アレルギー、そして文化・宗教・思想による「これは食べられる、食べられない」ということについての理解を深めてきた結果、結果的にこれらのフードバリア(私の造語です)を超えていく何かの方策が必要だとずっと考えてきました。食べることは命を繋ぐことであり、それを創り出す「農」という仕事は、国の根幹でもあります。ただ、いくら考えても、他社の製品では完全に素材を掌握しきることは難しく「ならば自分たちで食品を作りたい」という思いは強くなっていました。

昨年、前のオフィスを家主都合で追い出されることとなり、一見最悪の状態ではありましたが私には可能性の扉を開くチャンスのような気がして、前向きに移転先探しを続けました。

※そのときの顛末です http://prema.binchoutan.com/r-natural/nakagawa/post-23.html

縁あってこの三条会商店街の、立派な厨房がついた売り建物見たとき「これは、まさに自分たちの次を開く場所だ!」と直感がありました。しかし、途方もない金額でしたので、銀行に頼るほかありません。融資の申し込みをして1ヶ月。3行申し込み、1行は半額、2行目も半額・・・・残る3行目の回答はなかなか来ません。

「おそらく、ダメなので結果がこんなに出てこないんだろう」とやきもきしていました。売主様からは「これ以上待てません。今日、銀行の回答がなければ、この話はなかったことにしてください。」という切迫したその日、満額融資の回答がありました。そして、この建物に移転することになったのです。この融資を決めてくださったのは京都中央信用金庫という日本最大の信用金庫であり、弊社の最もおつきあいの深い金融機関さんの一つです。

その、信用金庫さんの弊社担当が変わられるということで、先日、新しい担当の方が前の担当さんとお越しいただきました。そのときはジェラテリアの開店が出来たことの報告と感謝を申し上げて、よくある普通の挨拶でした。違ったのは、お二人にジェラートをいろいろ食べていただいたことくらいでしょう。

その週末、新しい担当の方がご家族をつれてやってこられました。お子様二人はミルクアレルギーで、ジェラートやアイスクリームの類いは口に出来なかったという事情をしりました。このような方は日本にたくさんおられるわけですが、残念なことに普通のジェラート店ではシャーベットを選択するくらいしか方法はありません。

二人のお子様は、私たちのノンミルクジェラートをお腹いっぱい召し上がっていただきました。こういったお子様が幸せそうな顔をしているのを見ると、どんなにしんどくてもがんばろうという気持ちになります。ご両親ともどに「まさか、おいしいアイスクリームを気兼ねなく食べられるなんて想像もしませんでした!」と笑顔でお帰りいただいたのです。

他にも、開店たった2週間以内で、国内外のたくさんのお客様から、このような嬉しいお声を多数いただきました。私がやるべきことの一つをなんとかスタートし、そしてそれが叶ったという喜びに溢れる瞬間でもあります。

私は単なる菓子店がやりたいのではありません。心の薬となりうる、良質なスイーツを通して、食べものの、そしてひいては心の垣根を越えていきたいのです。

社会が性的マイノリティー、外国人、特定の宗教、社会的弱者に対しての偏見を深めている今だからこそ、私たちは Beyond food barrier!(フードバリアーを超えていけ!)の精神で、ものづくりに邁進していきます。

>>続 Beyond ”food barrier”!の意志

1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア

  • 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
  • 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材も生かしている
  • 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
  • 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
  • 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
  • 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
  • チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
  • 合成乳化剤・合成安定剤フリー

さらに1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア

  • 「身体が冷えない」「食べたら痩せる?!」という信じがたいお声あり
  • 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
    (Beyond “Food barrier”!参照)
  • 世界遺産の朝市にも出店
  • 東京に出店して欲しいという声多数で、2018年に開業
  • 衛生確保のため、お金を触らずに済む多言語券売機を活用
  • 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求