2017.04.29
普通、手作りジェラートはサトウキビのグラニュー糖をメインに甘さをつけます。スッキリした味で、しかも安いから、ということに尽きます。工業的に作るアイスクリームの場合には、もっと安い糖液などを使いますが、扱いが難しいこともあって、普通はグラニュー糖というのが常識になっています。
しかし、プレマルシェ・ジェラテリアではこの輸入をメインにしたサトウキビを精白した糖は一切使っていません。その代わりに、写真のような糖を使っています。
実は、問屋さんのトラックで、サトウキビのグラニュー糖、およびサトウキビの含蜜糖を見つけました。いったい、どれくらいの価格なんだろう、と値段だけ聞いてみたのですが・・・・驚きました。
プレマルシェ・ジェラテリアで使っている糖の半額程度、ものや場合によっては10分の1以下の価格なのです。「これでやれば儲かるよな」という気持ちが沸かないはずもなく、とはいえ、発注そのものをする気はありません。
自分の子どもたちはじめ、大切な人に安心して食べてもらえる以外のものは一切取り扱わない、素材として使わないというのは、一貫したプレマ株式会社の姿勢です。たとえば砂糖を食べること自体のデメリットや副素材の利用についても、厳密な意味でわずかでもリスクがある場合には、それを上回るメリットを提供できることが必須と考えています。
(もちろん、ジェラートの場合には完全なる自社製造品なので、多様なバリエーションがとれ、砂糖ゼロ、乳製品ゼロというバラエティもたくさん提供できます。)
一方、プレマ株式会社では、沖縄県宮古島市に別会社を設立、無農薬のサトウキビなどを栽培しています。
※オルタナティブファーム宮古のHp
サトウキビには大量の農薬や化学肥料が使われると同時に、砂糖の内外価格差の関係で多額の補助金が支払われていて、安い輸入糖で農家さんの生活が崩壊しないように買い支えられています。TPP論議のとき、発効すれば最も早く崩壊する農業がサトウキビ栽培だといわれてきましたが、私たちは新しい発想での無農薬サトウキビおよびその流通を試行錯誤してきました。
詳しくはオルタナティブファーム宮古のページを見ていただくとして、1円の買い上げ補助金もうけず、すべて自社で商品開発をして販売することで、価値ある品は価値ある価格で流通させるという信念をもって取り組んできたのです。
第一、無農薬で一生懸命育てたものが、それ以外のものと製糖所で混ぜ込まれてしまっては、収量も一般品の半分以下の稀少で、ミネラル豊富、さらに深いコクと香りをかんじられる素材が台無しになってしまいます。
後学のためにと思って取り寄せたグラニュー糖の価格、沖縄産(慣行品)のサトウキビ含蜜糖の価格を知った瞬間、いろいろなことが頭を過ぎりました。
お店に来ていただくお客様の大半は「この価格でやっていけるんですか?」と驚いていただいていただきますが、京都の商店街に普通に店を出していると、「500円、いいお値段(高いの意味です)ですね」と言われることは少なくありません。
ほんとうなら、1000円程度の値付けが妥当なジェラートなのですが、心の薬としてのジェラート、フードバリアを超えるためのジェラート、そして誰もが子どものような笑顔になれる場所にしたいと考えたとき、自社所有で賃料がかかっていない京都の1号店ではなんとか頑張れると考えています。
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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求