2018.08.20
いきなり堅苦しい話で恐縮ですが、プレマルシェ・ジェラテリアにお越しになると、四角いコンセプトブックから始まり、テーブルに置かれた素材説明、そして毎月発行している「らくなちゅらる通信」、さらに各種の説明文など、「これでもか!」というほど読み物が溢れています。
多分、手ぶらで来ていただいたとしても、手持ち無沙汰になることはないくらい、いろいろな読み物があり、退屈されないと思います。何より、ジェラートを味わっていただきたいのですが、私はどちらかというと視覚情報優位なタイプですので、つい、何かに目が行ってしまうので、そうなってしまうのかもしれません。
いずれにしても、すべてのメッセージには渾身の力を込めており、私がいないときに、私でないとお伝えできないことをお伝えするためのツールとして機能しています。私がやりたいのは単なるジェラート店ではなく、「心の薬」たる、私のパッションをお届けしたいというのは、このページでも再三書いている通りです。より一層、心の薬としての働きを高めてくれるのが、ご提供している印刷物に書かれたことそのものであり、食べて、読んで、そして感じて幸せになっていただきたいと願っています。
ぜひ、「これ持って帰りたい!」という方は、お気兼ねなくお持ち帰りいただいて、ご家族やお知り合いにもお渡しいただければうれしいです。
ありがたいことに、京都のお店のほうは、英語のドキュメントがほとんどないにもかかわらず、各国の方から深いところまでご理解いただき、海外出店のお誘いもたくさんいただいています。中目黒にも多くのお客様がお見えになっていて、私がお店に求めている機能、つまり「相互理解を通じて、世界平和の起点となること」が、決して大きくはありませんが、確実に果たせていると思っています。(らくなちゅらる通信は毎月、中国語に翻訳されています!)
政治や、圧力団体でなくても、たった小さな砂の一粒でもいいから、日本人として私がお伝えしたいことが和素材を多用した味と、和素材を使った添加物排除の方法、そして読み物やメッセージとして伝わっていけばありがたいですし、そのような場所にしたいと心から望んでいます。日本は世界で唯一の戦時被爆国であり、また、アジアにおける加害の事実にも、逃げずに向かい合っていかなければならない国です。その国で、人災による原発事故の災禍があったこと、瑞穂の国を穢した福島での出来事も含め、私にお伝えしなければならないことは山積しています。いずれの出来事も、学びの宝庫であり、それは自分たちだけの経験ではなく、世界のすべての人にとって必要なものだと考えています。
2011年4月、ほとんどすべての外国人がこの国を離れたとき、一緒に福島に向かったスタッフの一人に中国人スタッフの楊がいます。彼は今、私の後任で中国法人の代表者となり、国際結婚のすえ、新しい命も授かり父になりました。私は英語も中国語も堪能ではありませんが、彼が毎月私の書いていることを翻訳したものを印刷して、中国のお客様に届けてくれています。ですから、私たちのお客様からは「日本人でこんなにまともな人がいるのか!何かを誤解してきたと思う。(中国でのメディア情報には何らかの色づけがあり、日本人の声が直接届くこと自体が少ないのです)」という感想をお寄せいただき、また私たちから日本でも手に入れることが難しい、真実の日本製品をご購入いただいています。
ジェラートを毎週車で運ぶ夜、同じく中国からきた劉が遅くまで積み込みを手伝ってくれて、私にたっぷりの水を持たせてくれます。彼女はジェラート素材発注のほぼすべてを管理しており、彼女なしではプレマルシェ・ジェラテリアのジェラートはできあがりません。
私たちはたいした規模でもなく、たった、それだけのことなのですが、私にとってはとても大切なことなのです。これは、たった数ミリグラムの乳化剤を排除することと、非常に似ています。どうしても譲れない一線をジェラートに注ぎ込み、どうしても譲れない一線を言葉として表明する、そして、一緒に働く。そのどれもが、とても大切なことなのです。
同じように、昨年インドからインターンシップでやってきたインド人のヴァルシャが、卓越した日本語能力で、私の記事を順次英語にしてくれています。続々、翻訳が届いていますので、ジェラテリアにお越しの外国の方の目にも触れるよう、準備しています。ヴァルシャはオーストラリアに留学した今も、「今すぐプレマルシェで働きたい!」と言ってくれていて、その気持ちだけでありがたいです。
国籍も人種も越えて、大切なことで理解しあう。
そんなきっかけとなるジェラートに感謝しています。
-
Categories+
-
Archive+
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年10月
- 2021年7月
- 2021年4月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求