衛生基準と券売機

NOBUO NAKAGAWA

2017.04.22

あまり知られていないことかと思い、アイスクリーム(ジェラート含む製造基準)のお話しを書きます。

アイスクリームには賞味期限が打ってありませんよね? 理由は単純で、冷凍しているからということと同時に、製造時および販売時に大変厳しい衛生基準が法律で定められています。ここでその内容を詳しく書いたとしてもお客様にとっては難解なだけですので、それは割愛するとして、とにかく衛生上の非常に厳しい基準が設けられているということはご理解ください。おそらく、世界でも最も厳しい、否、厳しすぎるともいえる基準です。そのため、有害な薬剤を用いる機会がたくさんあります。

実はプレマルシェ・ジェラテリアでは、これら細菌の検査を自社でできるように設備を整えています。高額の機材ですから、わざわざジェラートやアイスクリーム製造を小規模にやっているところが大腸菌や一般生菌の検査機材まで持っている、というのは非常に希なことかと思います。

法律は法律ですから、当然ながら基準を満たすよう遵守して、安心して召し上がっていただけけるように努力し、なおかつとにかく菌を殺せばいいと薬剤をばんばん使うことなく、できるだけ有害な物質は食材に使わないよう一生懸命で、他の安全な殺菌方法がどれだけ効果を出すかということも検証する、という、これこそ普通のジェラテリアの範疇ではないと思われることまで意識して安全でおいしいジェラートを作ろうと最大限努力しています。

DSC_0552.JPG

そんなこともあって、プレマルシェ・ジェラテリアでは券売機を採用しています。券売機を使うことで、雑菌の塊ともいえる現金をジェラートを扱うのと同じ手で触ることをできるだけ回避しており、これでスタッフの過剰な薬剤消毒の回数を少しでも減らし、なおかつ細菌が入り込むのを防ぐ、という意味合いで設置しています。

「他のアイスクリーム店はどこでも現金触ってるやん」とお叱りも受けますが、私たちは検査機器で自社で検査した結果、それが結局過剰な食材や身体への薬剤利用と過剰なゴミの排出(手袋等)に繋がっているという認識であることは変わらず、券売機のご利用をお願いしている次第です。スタッフの体を守ることは、お客様の体を守ることであり、いくらヴィーガン素材対応といっても、食材を次亜塩素酸ナトリウムに長時間漬け込む(これは、アイスクリーム製造における普通の行程なのです)なんてことはしたくありません。より安全な方法を採用するのであれば、他にできる細菌増加の要因を徹底的に排除するという考え方の結果です。

 

そんな評判の悪い券売機ですが、いろいろ探した結果、オンラインで自由に内容が変更出来るマシンを使っています。この設定はもっぱら夜中に私が社長室からこそこそ行っているのですが(笑)、この数日から表示方法を変えたことで、いろいろ設定を変更していました。今日は昼間に問題に気づき、社長室に大急ぎで戻って書き換えたところ、また間違っていました。

DSC_0565.JPG

「イタイタ」、と、相当痛そうな表示になっていることに気づかないまま、50名ほどのお客様がチケットを購入いただいていたようです、申し訳ありません。

券売機の設定できる範囲は既製品ゆえに少ないのですが、「これ、おかしいですよ」という表示を見つけられたら、ぜひ私までお知らせ下さい。半ば、社会の窓を開けていることに気づかないまま営業しているようでとっても恥ずかしいので、お力添えよろしくお願いいたします。

 

1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア

  • 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
  • イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
  • 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
  • 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
  • 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
  • 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
  • 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
  • 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
  • チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
  • 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
  • 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
  • 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
    Beyond “Food barrier”! 参照 )
  • 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求