2020.05.18
『COVID-19に関係する医療スタッフの皆さんが、多忙で熾烈をきわめるだけではなく、世間から冷たい差別を受けている。』
この日本でくり返し報道されるニュースは、私の理解を超えていました。
「病院の風下にある家から苦情の電話が鳴り止まない。」
「医療従事者の子どもがいじめにあう。」
諸外国のように、感謝とねぎらいの声がたくさん届く、のなら当たり前のことなのですが、世間の不理解の前に、受けなくてもよい苦しみを受けることになっている現実に強く心が痛みました。
京都では、4月、京都産業大学で発生したクラスターに伴い、理不尽かつ合理的ではない理由で、当事者と関係も接触もない同学の学生が差別的な待遇を受けていることについて、会社として速やかに声明を出しました。
声明でも明らかにしたとおり、この光景は東日本大震災と福島における原発事故のときと同様、およそ科学的とはいえない無知がもたらすものであり、私たちはこのようなときにこそ、どうしても乗り越えなければならない感情の暴走なのです。
私たちは、かつてハンセン病(らい病)患者に対して、同様の集団的偏見と差別的対応を行ってきた歴史があります。当時の科学知識や社会状況では致し方ない仕方ない側面もあったことは否めませんが、病気の本質が明らかになってもなお、罹患者が社会的制裁を受け続けなければならなかった悲しい事実があります。現代においては私たちには充分な医学的知識があり、それを知ることも極めて容易な時代を生きています。それなのになぜ、という気持ちと同時に、誰もが恐怖に怯え、自制を強いられた重圧があることもまた事実であり、これを責めたところで何も実状は変わらないのです。
せめて、私たちはその片棒を担がないことを心に決め、そして私たちに出来ることをやりたい。
その結果考えたのが、私たちが自らの手で作り、そして提供することができるジェラートに、その思いを載せることでした。
自然食販売会社であるプレマ株式会社がジェラートに至った理由、それはこちらの記事でも書いてきたように、私たちはジェラートを作るのではなく、「心の薬」を作ることであると気づいた瞬間から、見える世界が変わりました。
おいしいジェラートを作るために、合成添加物は一切いらない。
おいしいことと、身体と心によいことは必ず両立する。
このことだけを証明するために、素材の品質は一切問わず、ただ味だけで評価されるイタリア最大のジェラート国際コンテストに出場を続け、3年連続5部門入賞を果たしたことで、この事実は証明されたと思っています。
私の親族の死において経験したこと、それは、人は病の終着点に近い場所で、口にやさしいアイスクリームを欲するという事実です。病に伏すまでもなく、良質のジェラートは日々の苦難に立ち向かう人々の心を溶かし、またがんばる力を与えてくれるということもまた真実であると日々実感してきました。
極めて残念なことに、ジェラートの本場・イタリアのロックダウン下においてはジェラート店の営業は一切認められず、何ヶ月にもわたってイタリア人の食文化と癒やしの象徴であるジェラートは人々の口に届くことができませんでした。私はこの事実にも心を痛め、やはり何かできないかと考えてはいたものの、明確な答えには至れないままで悶々と日々を過ごしていたのです。
もちろん、日本でも自粛要請のため、私たちの飲食店舗もまた極めて厳しい状況になりましたが、そのようなレベルとは起きている自体の深刻度が違うところが、世界のあちこちにあるのです。
COVID-19の最前線にいて、自らを犠牲にして向かい合う医療スタッフの皆さんがいること。
ジェラートの本国、イタリアにおいてもジェラートは大事なときに人に届かなかったこと。
この2つへの悲しみと共感、そして応援の気持ちを表現することが、私たちの今できることにほかならない。
これが、私たちが後先考えずに
「10000食のナチュラル・ジェラートを、COVID-19と向かい合う医療スタッフの皆さんにお届けする」と決めた理由です。
同じお届けするのなら、他にはない、医療関係者の皆さんの心の薬、そして身体の糧になるよう
- ・多忙で、充分日光に浴することができない方の免疫力維持のため、ビタミンD3を1カップ5000IU添加する
- ・ゆっくり食事もとれず、どうしても不足するマグネシウムやカルシウムほか70種以上のミネラルを加える
- ・ビタミンCや鉄、葉酸、水溶性・不溶性食物繊維を大量に含むスーパーフードや薬膳素材を複数使う
- ・水の力を生かし、水と和素材の力を引き出すことで合成乳化剤や合成安定剤等の添加物を一切使わず
- ・共感の心でつくり、感謝の心で無償の愛を一挙手一投足に注ぐボランティアの皆さんでカップ詰めする
ことにしました。
私たちのもつ設備や無償で製造・カップ詰めできるメンバー、資金等の限界から、1週間700個を目安に、店舗のある京都と東京の合意をいただいた感染症指定病院、クラスター発生病院の感染症対応スタッフの皆さんに4ヶ月にわたってお届けすることにしています。
ここからの4ヶ月間で、「暇だから、もういらないよ」と笑って言っていただけるような日が来ることを望んでいますが、状況は予断を許しません。この国が直面する問題はコロナウイルスの蔓延そのものというよりも、重症化した方を助けようとする医療の現場で尽力する皆さんのリソースが限られていることであると理解しています。
徐々に自粛解除が進んでおり、世間のムードが明るくなってきたとしても、だからこそ一部の医療機関に極度の負荷と心労がかかり続けることは当面変わりません。
お届けするジェラートの製造にあたっては、特殊な素材を多用するため、労務費や設備の減価償却費を算入しない素材原価と輸送費等で1カップ200円程度になる見込みです。
1カップ約200円のコストを
・1カップ100円について、皆さまにご支援をお願いし、
・1カップ100円について、プレマ株式会社が負担いたします。
お願いになってしまい申し訳ありませんが、本件ご理解ご賛同いただけるようでしたら、ぜひともプレマ基金口座へのご送金や、店頭などでの募金をお願いしたく、どうかよろしくお願いいたします。
※プレマ基金は、「ボランティアでもNPOでもない、人と人のつながりを信頼する支援のかたちです。(設立2011年)」
クラウドファンディングは手数料が多額かつ、本件はリターンを提供するプロジェクトではないため、あえてプレマ基金の別口座で管理いたします。
また、会社持ち出しの費用については、皆さまにプレマルシェ・ジェラテリアをご利用いただくことや、プレマ株式会社の店舗や通販をご利用いただくことで成り立ちます。ぜひ、積極的なご利用も併せてお願いいたします。
各感染症指定病院への納品状況や、ご支援いただく資金の利用については、逐一Facebook、Instagram、プレマ基金HP、プレマ株式会社の各HPにてご報告させていただきます。
2020年5月10日
プレマ株式会社
代表取締役 中川信男
プレマルシェ・ジェラテリア
カップ詰め・配送市民ボランティア賛同者一同
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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求