2017.04.10
パンナコッタといえば、イタリアの高カロリー、生クリームどっさりなお菓子です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%BF
(写真は逆光気味で、パンナコッタが黄色く写っていますが、実際には白です)
もちろん、ミルクと生クリームでこれを再現することは可能で、イタリアにはパンナコッタ味のジェラート用インスタントフレーバーがあります。
また、フェイクが大量に出回る日本では、高額な生クリームを使わずに、安価な合成系の素材もたくさん出ていて、何がなんだか分からなくなっている、という事情もあります。
私は、和素材とノンミルクでこれが再現できるかとチャレンジを繰り返していました。ほんものの生クリームどっさりで、ちゃんとしたパンナコッタ味もいずれご提供できればとは思っていますが、自然食専門の人間がここから着手するのは忍びなく、別の可能性を模索してきたのです。
注目したのは「白あん」です。白あんをミルクと合わせるとおいしい味はできませんでしたので、あちこちから白あんを取り寄せてイタリアのコンテストのために仕上げを繰り返していました。結果、ちゃんと白手亡(しろてぼう)だけを使った白あんがベストマッチという感触を得て、またこれに絞っていくつか試作をして、現在ご提供している「白あんのパンナコッタ」という超ヘルシーなフレーバーが出来上がりました。
あんこをそのまま使いますと、ざらっとした口触りが残ってしまうので、何度も裏ごししたり、フードプロセッサーにかけたりを繰り返し、現在の状態に仕上がっています。私はできるだけ味と香り、ビタミン類を吹っ飛ばしてしまう高速処理をしたくないと考えていますので、とっても手間がかかる作業ではありますが、最小の加工劣化で滑らかさを出しています。
(ジェラート作り関係の講座に出ますと、パワー全開の高速ブレンダーをフルで回して、というのが標準的行程として示されますが、スロージューサーの魅力を10年以上にわたって説いてきた私から見れば、無謀すぎます。材料をしっかり混ぜることの大切さを説かれ、製菓の常識としてそうなるのですが、製菓について非常識な私は可能な限り低速処理を行い、果汁やナッツの抽出や圧搾などは、私たちの販売している超低速ジューサーを使います。いつもイタリアの学校で高速ブレンダーをどばーっと何分も回しているのをみて、流石に立場は生徒なので反論はしませんが、絶対に自分はしないと誓いました。ミルクならそれで良いのかもしれませんが、私の使う素材はそんなに単純ではありません。常識は、ときとして正しいとは限らないのです。)
ちなみにこのフレーバー、オーガニック素材率は80%程度と、ミルクではできない魅力もあります。
ちょとこのフレーバーに関しては、秘密のナチュラル素材による複雑なレシピの組立がいっぱい入っていますので、今のところ詳細は割愛させてください。
今日、タンパク質いっぱいの硬く仕上がる白あんパンナコッタをよく練って、ディッピングの用意をしているときに気づいたのですが、このフレーバー、手を限界まで使ってよくよく練り上げて、そのうえでスパチュラ(へら)で表面をやさしくなでますと、見るからにきめ細やかで滑らかな和菓子そのものの美しい見た目になりました。私が茶道に親しんでいれば、ぜひ茶の湯の席に供したい風情なのですが、残念なことに茶道の心得がなく、叶いません。
もしどなたか、カジュアルな茶の席(私は心得がないので、そのようなものがあるのかどうかもわかりません、無学をご容赦下さい)のお菓子として、使ってみたい!という方がおられましたら、やってみていただけるととても嬉しいです。植物性タンパク質が多いので、かなり溶けにくいという特徴もあります。ミルクも生クリームも一滴もはいっていませんので、お味としては、お抹茶とベストマッチなはすです。
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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求