2017.04.03
いつもお世話になっているネオベジタリアン料理家、erico先生。
erico先生からのリクエストで、「お酒のジェラートっ作ってぇ!」と甘いご要望をいただきましたので、以前から何かの時にと用意してあったプロセッコ公開です。プロセッコとは、イタリアのスパークリングワインの一種で、ジェラートと相性がよいと言われています。
三条会商店会では毎年5月にビール祭が行われており、渋谷並みの大混雑になるのですが、この日にあわせてビールジェラートやお酒ジェラートをたくさん出そうかなと思っていたのです。
私は試作段階でいろいろなアルコールドリンクのジェラートを手がけてきたので、これはお手のもの。ぜひやりたいなと思うのですが、大きな問題が。
・アルコールは、ジェラートを溶かす効果がある
私のジェラートのきめ細やかな氷結晶。これは、糖の分子量の計算で導き出すのですが、これが残念なことにアルコールの作用で早く溶けてしまい、だんだん氷結晶が大きくなって、舌触りが落ちてしまいます。状態がよいのは、私の経験上せいぜい8時間くらいで、それを過ぎるとくたっとなってしまうものが多いのです。ここを、多糖類でカバーしていくのですが、とはいえどうしてもアルコールの強力な溶解作用には抗えず、やはり出来上がったその日に召し上がっていただき、日は超さないのがベストです。
私のソルベットを食べていただいた方はおわかりのように、他店では感じたことのない濃厚な粘りを感じていただけると思います。このために特別なスーパーフードや代替糖を使うのですが、これを使うことで、さらりとしていて滑らかな舌触りのジェラートができあがります。何をどう使うかは、トップシークレットです。もちろん、アルコールのための黄金比も計算してあります。
・アルコールは揮発する
当然ですが、アルコールは揮発します。たとえ冷凍しても、じりじり揮発してしまいますし、ジェラートを密閉容器に入れることはできません。なので、やはり風味が早く落ちます。
・いいお酒は高い!とんでもない原価率に。
いいお酒で作ればあればあるほど、当然おいしいジェラートになりますが、ものすごく高くなります。当たり前の話しなのですが、1ポーション500円(税抜きだと400円台)という当店の価格では、とても成立しません。安物酒なら可能ですが、果たしてそれをやる意味があるのかどうか、です。
・保存温度は普通のジェラートより低い
アルコールジェラートは先に述べた溶けやすさの関係で、通常のジェラートのマイナス14度よりも低いマイナス16度で提供するのがベストだとわかりました。しかし、保存用冷凍温度はマイナス18度~20度に設定しており、これでは低すぎます。
つまり、アルコールジェラート専用の設定をした冷凍庫を用意しなければなりません。ここまで考えると、実はものすごいコストになってしまいます。
だから、やめておきます。
・・とは言いません。
その代わり、完売できる見込みで、完売できる量だけを、特定の日に集中的に販売する。もちろん、普通のショーケースには入らないので、裏メニューでラボの冷凍庫からご提供する、とう方法を考えました。
こんな難しいことを言わなくても、何でもよければアルコール入りジェラートそのものはたいしたことではありません。ただ、私のポリシー上、最高の状態にできるだけ近づけないと、私がやるべきことではないと思いますので、この方法を考えました。
また、よろしければ「10人、20人同じ日に連れて行くから!」「価格はお酒の原価にあわせて都度検討でいいよ」と言っていただく勇気のある方、ぜひお声がけください。
とはいえ、私も受けると表明した以上本気ですので、事前に少量のためのイタリア製試作機(この機械、なんと80万円もしますが、食品破棄をしたくない私は、試作のためだけに既に導入しています)でテストして、本番のイタリア製マシンで仕込みます!
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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求