このところ、ずっと京都で久しぶりに中目黒にやってきた中川信男です。
さすがにこれだけ寒くなってくると、私たちもお店の方は閑散な時期に入ります。ご自宅の暖かい場所でゆっくり楽しんでいただけるよう、通販も再開していますので、ぜひご活用ください。
さて。
中目黒店開店直後に来ていただいたお客様が、素敵な記事をアップしてくださいました。
>>Happy IceCream Note様の記事です。
「名店」と書いていただいているのですが、実はまだジェラート店をスタートしてから1年半ほどしか経ちません。創業百年経っても「まだまだ新しいお店ですな〜」と言われる京都にあって、恥ずかしいことこのうえありませんが、言い訳を思いつきました。
私の設計するジェラートは、単に新鮮な素材とか、高級な材料、というお菓子業界で月並みに言われる特徴ばかりではありません。むしろ、新鮮ではなく、できるだけ長い時間をかけて作られた素材のほうが、よりよいものになることがあるのです。
自然食の世界にいる人間には当たり前のことなのですが、一般的にはむしろ知られていない内容かと思います。例えば私たちが自然食として販売する味噌の発酵期間は最低一年。私の名前を冠した味噌などは、三年以上発酵させます。
「奇跡の米100% 瑞穂の国の誉」ジェラートに使っている米素材は、ご飯を炊くように簡単に作れるものは1つもありません。何ヶ月、何年もの時をかけて、ゆっくりゆっくり作られるものばかりです。焙煎一つにしても、1時間?2時間・・・ とんでもない、48時間焙煎します。
そんなの新鮮とはいえないよね。
はい、いえません。
新鮮だからよい素材と、時間をかけたほうがよい素材、そしてそのバランシング。このすべてが、自然食屋だからできた組み合わせであり、私たちのジェラートがほかに類を見ない証拠でもあります。
召し上がるお客様の健康のため、大量に加えている有機バオバブパウダー。バオバブの木には、なんと、樹齢5000年のものまであります。
そして同じように加えている与那国島でしかできない表層珊瑚の化石パウダー。こちらは、老舗さんには悪いですが、10万年です。
お店ができて1年半。でも、10万年かけて自然界が作り出した素材もふんだんに使われている。そう、考えると、私たちはとても新しいのですが、とても古いのです。
中目黒のお店も築60年近く。古いからこそ醸し出せる大切な何かを私たちは大切にして、ものづくり、そしてお店作り、そして全く新しい革新的なアイディアをここに組み込んでいます。
ということで、名店、と紹介いただいたことに恥じないよう、さらに深く複雑なレシピ作りを進めてまいります。
カテゴリー:譲れないもの