譲れないもの

日本料理

中学校で演劇にはまり、役者になりたくて芸術系の高校に通った息子ですが、進路を決めるにあたっての一幕。

その高校で日本舞踊や能の先生に見初められてはいたのですが、それだけを追求するというのを決めるには少し早かったようなのです。

「○○芸大に合格したら、それはそれでいいと思うけど、落ちたら手に職つけてから役者なり、能楽師なりを目指しても遅くないんちゃう?」

「日本芸術という意味では、日本料理も、その範疇やで。」

「日本の文化を知らせるには、料理の道を進んでみて、新しい表現をやってみたら?」
「うちのジェラートも外国人からすこぶる評価が高いし、ちゃんと和の精神を貫いたら、きっと海外から先に評価されるんちゃう?」

などという話をしていたら、いつの間にか料理専門学校の日本料理専攻科の願書を出していた彼です。

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彼がこの春、その学校に入学する頃には、京都の新興ジェラテリアはTripAdvisorで京都の全飲食店1位にランクされるようになり、願書を出していた頃には、私の和素材だけのジェラートがイタリアで2つ入賞するに至ります。

合成乳化剤フリーも、アンフェアな輸入精白糖ゼロも、ヴィーガンやノンミルクでも濃厚さを醸す秘密もすべて和素材にあります。日本じゃないと、かつ自然・有機素材や特殊素材に精通していなければ決してできなかったこと、それが私のジェラートの骨格であり、また異文化の高次融合でもあるのです。

 

ということで、彼に猫の手も借りたかった私のジェラート作りを助けてもらいました。

約1年半後、いったい彼は何をやっているのでしょうか。今から楽しみです。

 

海外、特に欧米方面への出店や輸出要望も、ほんとうにたくさん頂くのですが、(資金の提供も含めて、相当具体的な話もいただきます)なにぶんほとんどの重要素材が日本製でないとうまくいかないという、すこぶるトリッキーなプレマルシェのジェラートです。ほんの0.1%の差が、ものすごい差になるのと同時に、「○○社の、○○でないと絶対にダメ」という微に入った比較検討を積み重ねた結果もあって、代わりのものでやってしまうと全く別物になってしまうのです。

白味噌も、湯葉も、豆腐も、ごまも、黒糖も、水も、ゆずも、電源の加工も・・・ 別の会社やの別の製品にした途端に、深いところが全く癒やされない、その辺にある、ごく普通のものになってしまいます。

こんなこともあって、重たい素材や道具類を輸出してやるにはまだ十分な環境になく、じっくり考えていきたいと思っています。

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