ジェラテリアについて

陰の、実は真のジェラティエーレ

毎日、偉そうなことをシロウトが宣う本記事ですが、今日は大切なお話しをします。

こちらが、プレマルシェ・ジェラテリアのジェラティエーレ(ジェラート職人)の駒水沙織さんです。

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今日は、顔はやめてという本人の希望で横顔だけですが、プレマルシェ・ジェラテリアでお召し上がりいただく大半のジェラートの実際の製造は彼女が行っています。

私が教えながら、ということにはなっていますが、素材選定とレシピそのものは私が設計している一方で、製造は一緒に試行錯誤しながら、というのがほんとうのところです。

 

最初、私たちの会社で最高のジェラートを作ろうと決めたとき、私は当然製菓経験者を採用する予定でした。しかし私が勉強と試作をすすめるにつれ、「ほんとうに経験者で良いだろうか。私が考えた通りにやってくれるだろうか。変なところで製菓の常識を持ち込まないだろうか。」という気持ちが強くなり、経験者の採用はしない方針を決めました。

とはいえ、お互いに全く知らないもの同士が新たに何かをするといっても、信頼関係を築くには時間がかかります。そこで社内の人材を一人一人思い浮かべながら、誰かこのお客様を笑顔にするためのジェラートを作るという崇高な作業に向いている人はいないだろうかと、夜な夜な考えを巡らせたのです。

履歴書の束も引っ張り出して、あーでもない、こーでもないと考えているとき、弊社通販の屋台骨である倉庫勤務を続けてくれている駒水を思い出しました。倉庫は大阪府堺市。彼女の家は兵庫県西宮市と、どう考えても通勤に時間がかかるので・・・と思う一方で、何度考えても彼女にこの話をして、私と一緒にお客様のためのジェラートを作るというのが適任と思えてなりません。

ある日、京都に彼女がきたとき、社長室で話しました。「駒水さん、ジェラートを作るというのは聞いてもらっていると思うけど、駒水さん、待っているのでもしやってみたという気持ちが向いたら、返事ください。」と告げました。待つこと2週間。半分諦め気味に彼女に再確認すると、「私、こういうことはやったことがないのでできるかどうか不安でしたけれど、ぜひやらせてください!」という返事。

あれ以来、試作も、そしてイタリアのコンテストの準備も一緒にして、今お客様にご提供しているジェラートも、実は彼女の作品なのです。

 

なぜ、私が駒水を選んだのか。

彼女は弊社の物流センターでの梱包作業をもう10年以上、やり続けてきました。最初は派遣で、そしていろいろあってプレマ株式会社のパートタイマーとなりながら、勤務地も変わり、そして物流を代行する会社も変わってきました。

4年前の物流センター移転のあと、倉庫機能は心ない物流会社を私が選んでしまったばかりに、大変混乱に陥っていました。何ヶ月も正常出荷ができない、何をいってもお金の話ししかしない、梱包品質も劇的に悪化してしまったしたとき、駒水を新委託先の会社に派遣して梱包指導してもらいました。どうしようもなかった梱包状態に駒水が丁寧に指導、チェックすることで、梱包品質が劇的に改善、その後駒水は物流の事務所に入って海外便や弊社店舗向けの配送段取りなどをやっていたのです。

その、10年近く前の駒水の写真がここに残っています。

https://www.binchoutan.com/FS-APL/FS-Form/form.cgi?Code=konpou

 

ごく普通に考えれば、菓子未経験、梱包をずっとやってきた人を職人にするなんて、考えられないかもしれません。しかし私の考えは全く違っていました。どんなにしんどい仕事でも、直接お客様に目に見える形で褒められない仕事でも、ずっと根気よくやり続けた人。そのうえ、派遣からパートという状態にもかかわらず、プレマの変化にはどんなときにでも、イヤな顔一つせずついてきてくれたのが彼女です。

物流移転の時には、全く違う場所の別会社に委託することになり、一度送別の花束を渡して「さようなら」していたにも関わらず、プレマが危機に瀕したとき、呼んで二つ返事で戻ってきてくれたのも駒水です。

プレマルシェ・ジェラテリアのジェラティエーレとして、これほどふさわしい人が他にいるでしょうか。

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プレマルシェ・ラボは毎日、徹底的に清掃します。

開店前後は、あーしまった、あー失敗したと彼女の声が厨房に響くことも多々ありましたが、日増しに段取りもよくなってきて、確実においしいものを、私の指示通り、確実に作りだしてくれています。ピスタチオをペーストにした缶をひっくり返したこともありました。ビックリするほど高いものですが、覆水盆に返らず、です。たぶん、そんなことも何年か経ったら、また後輩に向かって話す、いい思い出話になることでしょう。

何より彼女は誠実で、決して失敗の原因を人のせいにしません。京都と西宮、京都と堺と私とは大きく隔たった場所で仕事をしてきた彼女ですが、私の目に狂いはありませんでした。私の指示ミスでも「申し訳ありません」と言葉が自然に出てきます。悪いのは私なのですが、彼女はそういう人ではないのです。

おとといは、深夜終電間近に、厨房のグリーストラップの汚れをゴシゴシがんばって落としていました。「ずっとこれ、気になっていて」と、オゾン水で床に這いつくばって、手を突っ込みながら清掃していたのは彼女です。誰もやりたがらないことを黙々とやれる人の底力は、想像を凌駕します。

私は、このような優れた人と一緒に仕事ができることを誇り、また幸せに思います。

ここを、世界でいちばん、誰もが子どものような笑顔になれる場所にする」というジェラテリアのミッションは、他の卓越したスタッフと共にゆっくりと、しかも確実に果たされていきます。

 

どうぞ、プレマルシェ・ジェラテリアで真のジェラティエーレ、駒水沙織のジェラートをお召し上がりください。

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