2017.05.20
おからとティラミスなんて、どう考えてもおかしな組み合わせですよね。
私が、お菓子業界の常識とは全く違うことをするというのは今まで書いてきたとおりですが、単純に製菓初心者で、業界常識を何も知らないからだけ、ということもまた真実です。
正直、今まで生涯において、ティラミスなど一度も作ったことはありません。ただ、オーガニック食品の仕事で何度もイタリアにいっていますので、どんな味がほんとうのティラミスなのか、ということについては理解しています。
日本のそれとは全く別物で、お店ごとに強い個性があってとても食後のドルチェとしてはとても楽しめます。基本は基本としてあり、そこの無限のアレンジが各店の個性あるティラミスの味を決めているといってもいいでしょう。
さて、生涯でティラミスを作ったことが一度もない、パティシエの先生からは「さっさと失せろ」と言われかねない人間が、ティラミスフレーバーを作るとどうなるでしょう。
実際、ジェラート業界で販売されている「ティラミス」というペーストを使えば、一発で作ることができます。どんな味でもインスタントペーストが存在しており、この世界に入ってから、その種類の多さ、製造会社の多さ、輸入業者の多さにほんとうにビックリしました。
こんなに簡単に作れてしまうから、ジェラート業界参入はハードルが低いのです。お客様は、インスタントかそうでないか、たぶんわからないだろうという前提に立つと、もう、これで充分なのです。何より、手間が劇的に少なくてすみますから(ミルクベースと混ぜるだけ!)、安く販売することも可能になります。
私も超初心者ですから、当然「ティラミス」というイタリア産のペーストを使って・・・・・
・・・・・私を知っている方なら、それは絶対ないだろう、と推察されるとおりです。
さあ、ティラミスとはなんぞや、という研究を深めつつ、ジェラートに当てはめるとどうなるのかということを思考すること1ヶ月。
まずは
マスカルポーネチーズの味と品質。
エスプレッソの香りと苦み、そしてその質と濃度。
脂肪と固形分のバランス。
ラム酒の質と量。
混ぜ込むクッキーの検討。
自家製カスタードの仕上がり。
甘みの質とキレ。
いろいろなことを考え合わせて、レシピ表に落とし込み、1回目の試作に入りました。
ダメモトでのトライでしたが、出来上がってくる試作ジェラートを試作機にスプーンを突っ込みつつ、1口、2口、3口、4口、5口・・・・できました。完璧です。
混ぜ込んだクッキーは揚げたおからのさくさく・ポリポリ感がたまらない、非常識な選択です。イタリアのティラミスそのものでは、ふにゅふにゅになるまでエスプレッソに浸したクッキーや生地が入っているのが王道ですが、もともとふにゃふにゃのジェラートに、ふにゃふにゃのクッキーをいれたら、ぜーんぶふにゃふにゃで終わりますので、やめました。
カリッカリ、さっくさくのおからクッキーをエスプレッソに短時間浸し、マスカルポーネチーズとカスタード、そしてラム酒が調和するジェラートに混ぜ込んでみました。
口の中でとろとろ、おからクッキーがさくさく感を演出します。あとで、エスプレッソとラム酒の香りが鼻から抜け、たぶん、止まらなくなることでしょう。
プレマルシェ・ジェラテリアのジェラートをお召し上がりいただいたことのあるお客様なら、きっとどのレベルのティラミスかはご想像いただけるかと思います。
ここまでいっておきながら申し訳ありませんが、既に当店のショーケースはいっぱいで、別の味のために、1つでも引っ込めようものなら「あれが食べたかったのに~」と甘い声でいっていただけているので、どうしたものかと考えています。
限定フレーバーと思って作ったジェラートが絶賛いただき、どんどん定番になっているので、何かを引退させるということが叶いそうもありません。
また、限定フレーバーでご用意したときには、ショーケース内にはありませんので、店内に「ティラミス♪」と小さな紙に書いていないか、探してみてください。おそらく、来月には裏メニュー的にご紹介できると思います。
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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求