2017.04.16
私には、ジェラートを作り始めたとき、小さな夢というか、願いが産まれました。
もし、もう間もなく、この世を去らなければならない人がいたとします。
私もそうですし、あなたにもそういうときがやってきます。
そんなときに、「最後に、あそこのジェラートが食べたい」といってくださる方がいたとしたら、どんなに素敵なことだろうと思うのです。
私には、人の命をどうすることもできません。
医者でもなければなんでもなく、ただの市井の人なのです。
私はそう願い、もし私たちのジェラートがそう願われるのなら、
どこにでもクーラーボックスをぶら下げて持っていきたいくらいです。
カップに詰めた窮屈なジェラートではなく、
目の前で、私の右手で練り上げて、
どうぞと差し上げてみたい。
それは何にもならないかもしれません。
ただ、そんなに大切なことを求められるとしたら、
私はどんなに幸せ者でしょうか。
私の産みの母が他界するまでのしばらくの期間、彼女が好きだった氷川きよしさんと、
口ずさむ、ずんどこ節のメロディーを思い出します。
ICU症候群、そしてそれに続く重度要介護状態のあいだも、氷川きよしさんの写真を見せると
いつも喜んでいました。
※ICU症候群 http://prema.binchoutan.com/r-natural/nakagawa/vol80.html
もう、死期は間近いと医師から説明を受けたとき、モルヒネの副作用でもうろうとするなかで、
いろいろな幻覚がやってきていました。褥瘡も悪化し、看護チームの皆さんも一生懸命に手当してくださったのです。
痛い痛い、ここから出してくれ!と叫ぶ彼女に、ウソをつきました。
「明日、氷川さんが車を運転してここに迎えに来てくれて、
お母さんを迎えにきてくれるって、さっき電話があったよ。」
「どこにでも、行きたいところまで連れて行ってくれるって。
自由な場所に連れて行ってくれるって。」
次の幻覚がくるまでの数分間、彼女はとっても元気でした。
母は、私のジェラートを求めませんでした。
私は、何も自分の手で、誰かの口にするものを作っていたわけではありませんでしたから。
※母の最後 https://prema.binchoutan.com/r-natural/nakagawa_/vol99.html
今は違います。
自分の血の繋がった親戚は、もう子どもだけになりましたが、
たとえ血が繋がっていなくても、私の何かを求めて下さる誰かがいるのなら、
私はそうしたいと心から願います。
血の繋がりなどは、それほど大切なことではありません。
もっと大切なことは、他にもたくさんあると信じています。
ただのジェラート屋が、つまらないことを言っているだけなのかもしれませんが、
私は、プレマルシェ・ジェラテリアのジェラートは誰かの心の薬でありたいと
祈っているだけなのです。
生きていれば、辛いことも、腹の立つことも、もうダメだと思うことも、
いろいろあるでしょう。
そんな全てを水にながしてくれるような、
ジェラートを作りたいだけのです。
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1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア
- 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
- イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
- 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
- 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
- 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
- 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
- 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
- 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
- チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
- 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
- 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
- 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
(Beyond “Food barrier”! 参照 ) - 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求