身体が冷えないジェラート

NOBUO NAKAGAWA

2017.04.06

昨日、今日と、この4月1日からプレマ株式会社に入社した二人の新卒社員がジェラテリアの後片付けをやってくれていますので、私はこの時間からジェラートの話しをこちらにしたためることができています。

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今日は暖かさもあって京都のソメイヨシノも一気に開きはじめ、そのせいか三条会商店会も少し閑散とした様子、お客様もやや少なめでした。

今日はベネズエラ、韓国、スイスのツーリストのお客様に加え、自然食を買い求めていただくお得意様とゆっくりお話しができました。

基本的に、自然食を実践されている方は乳製品、精製糖(白砂糖)、冷たい食べものを避けておられる方が多いわけですが、ここも充分に考えたうえで私のジェラートは設計されています。

ジェラートである以上、マイナス14度でおいしく召し上がっていただける状態になっていますので、冷たいことには間違いありません。ただ、精製糖を中心に工業的に薬剤を使い高温抽出された油や、フェイクの乳脂肪類などの塊にした安価なアイスクリームを、自然食のストレスが重なってコンビニなどで衝動的に食べるよりは、私のジェラートを召し上がっていたく方がよほど永続的で健康的、といえるような組立を常に考えています。現代人である以上、目の前にある甘い誘惑を拒絶し続け(たふりをして、も含む)、陰でジャンクに走るのはよくないです。

特に、単純に身体を冷やすだけの組み合わせをできるだけ避けるようにし、たとえば糖の吸収を穏やかにするようなレシピや、陰陽のバランスからみて、冷たくて甘いという性質を中和してくれる陽性素材を組み合わせるなど、ちょっとした配慮で可能になる「冷えない=血流を阻害しない工夫」を凝らしています。

実際、これらのジェラートの試作をしていたのは12月から2月の最も寒い時期でしたが、その時期に試食していたスタッフのコメントでも「冷たいのに身体が冷えない、むしろポカポカする」という話しをたくさん聞きました。特に身体の変化に敏感なスタッフほどそのようなコメントを残してくれるので、いつも私は励まされていた次第です。

今日だけで陰陽の話しや、工夫の話しを個別に細かく1度にすることは長くなりすぎますので、何回にも書いていくとして、今日は米だけ100%のジェラート「瑞穂の国の誉」の例にご説明します。

「瑞穂の国の誉」は米を発酵させた素材を多重に組み合わせて仕上がっています。ある素材は玄米を発芽させたミルクであり、あるものは甘酒であったり、さらに何重にも違う発酵を経た素材を組み合わせであったり、さらに油はヘキサン抽出をしてない米ぬか油を使っています。これでイタリアンジェラートとしての粘りや濃厚な風味、そしてテクスチャーを創りだしているのですが、最後に加えている一つの素材が米を長時間酸素に触れない状態で焙煎し、丁寧に炭化させた素材を使っています。これはオーガニック玄米の炭ともいえる素材で、腸内の汚れを掃除し、血液をきれいにし、さらには香ばしい風味を添えます。最後の決め手が「身体を温める作用」をもつので、甘くて冷たいジェラートなのに、食べた後に身体が温かいという実感を得ていただくことができます。

この素材は、「玄氣陽氣の素」という健康食品として、2グラム×30包で2500円で販売している品ですが、これをふんだんにこのレシピに用いています。

全体として少し焦げ感のある、まるで米のキャラメルのようなフレーバーに仕上がっているわけですが、これをお召し上がりになると、最初は私の話をオーバートークじゃない?と聞いておられたお客様も「ああ、ほんとうにあとで暖かい」という食後感を残してお帰りいただいているのです。

この米だけ100%ジェラートが、プレマ株式会社のジェラテリアである私たちにしかできない組み合わせのジェラートであるという理由の一つはここにあり、適当に組み合わせただけではなく、食べたあとにメリットが残されるかどうかも常に考えている、という一つの例です。

正直なところ、原価率はもちろん、製造の手間も普通のジェラートの何倍も必要とするのですが、昨日書いたような理由で、どうしてもこのジェラートは私たちが伝えたい世界観を体現するものとして考えていますので、手抜きができないのです。

甘酒ブームの陰で原料調達がとても難しくなっている事情もあり、いつまで続けられるかわかりませんが、プレマルシェ・ジェラテリアを感じていただくマストアイテムとして、お試しいただければ幸いです。

1分でわかる
プレマルシェ・ジェラテリア

  • 自然食屋が、そのノウハウの全てを注ぎ込んだ京都のジェラート店
  • イタリアジェラート協会 国際コンテスト3年連続複数部門受賞
  • 正統イタリアン・ジェラートでありながら、和素材を生かしている
  • 機能素材やスーパーフードを多用し、罪悪感ゼロで楽しめる
  • 日本最大級のヴィーガン、ノンミルクジェラートの品揃え
  • 安価で味の粗いサトウキビ由来の白砂糖は一切不使用
  • 合成乳化剤・合成安定剤、合成食品添加物は一切不使用
  • 主に外国人から特別に高い評価を受け、行列になる日もある
  • チーフ・ジェラティエーレ(ジェラート職人)は中川信男
  • 前代未聞の「ジェラートのすべてが米素材100%」も各種開発
  • 「食べたら血流が増加する」という公的試験機関データあり
  • 京都でフードバリアを超えるというプロジェクトを立ち上げ
    Beyond “Food barrier”! 参照 )
  • 私たちが作るジェラートは「心の薬である」と真剣に希求